危険物保管庫は勝手に建てることはできない!?まず基本的な知識やポイントを押さえよう!

危険物保管庫を建てるには、多くの約束事があります。
どのようなことを基本に立てていくのかを簡単に紹介していきます。
まず法律によって危険物に指定されているため、消防法や建築基準法などによって設備や人員体制を厳しく定める必要があるのです。
建設するためには、消防との細かい協議が必要となってきます。
申請も多岐にわたっており、かなり煩雑な手続きも多いため建てる人が少ないという問題も抱えています。

危険物保管庫は勝手に建てることはできない!?まず基本的な知識やポイントを押さえよう!

危険物保管庫の基本を簡単に言うと、貯蔵所として扱うために倉庫として扱うことが出来ないということです。
危険物保管庫には、ハードな基本が設定されているために、位置や設備・構造などの点で基準を満たす必要があります。
危険物保管庫を建てるには課題であり、「時間とお金と手間がかかる」の三重苦であり、危険物に該当するものを保管するために人員も多くすることで、経費や危険も伴うことも悩みの一つです。
物質も爆発しやすいなど適切な対応が必要とえいます。

そもそも危険物保管庫とは何か?その定義について教えます!

危険物保管庫とは、消防法に定められた危険物を保管しておくための貯蔵施設です。
となると、危険物保管庫の定義ではそもそも危険物とは何かを知らなければ話になりません。
これは薬品類で危険なものというような意味ですが、もちろん実際にはそんな曖昧なことではなく明確に示されており、第一類から第六類まで、6種類に分けられています。
酸化性固体・可燃性固体・自然発火性物質及び禁水性物質・引火性液体・自己反応性物質・酸化性液体の6種類です。
これらは具体的な物品の例も示されていますが、ここは物質を解説する場所ではなく保管庫について説明するところですから、これら危険物を保管する施設にはどのような要件や基準が求められるのかを少し紹介します。
基本を言えば3点で、その貯蔵施設についての立地の基準、規模・広さに関する基準、それに構造設備の基準が設けられており、これらを満たすことが貯蔵施設には求められているということになります。

危険物保管庫の「危険物」とは何を指すのか?消防法から説明します!

危険物保管庫の危険物とは何を指すのかは、消防法で規定があります。
消防ということから想像できる内容ですが、一般的な文脈で危険物といった場合、人体に影響を与えるような毒物とかあるいは地球環境に悪影響を与えるようなものを思い浮かべるかもしれませんが、危険物保管庫での話ではこれらは直接的には該当しません。
一部重なるものもありますが、消防法では即ち火災とか爆発の危険性がある物質を指しています。
ガソリンなどはまさにその代表的なもので、実際にもこのような保管庫で取り扱われることが多いですし、アルコール類も似たような位置づけになっています。
他にこのような性質のある物に何があるかと言われても、ある程度に専門知識がある人でもすぐにはなかなか思い浮かばないかもしれませんが、金属ナトリウムのように水と接触すると爆発するようなものや、過酸化物のようにそれ自体が燃えるわけではないが、酸化剤として働くことで周囲の物を発火させやすいものが含まれます。

危険物保管庫を建てるためにはどんな申請をどこへ出すべき?

危険物保管庫を建設するときは、爆発などのリスクに備え影響が起こりにくい地域に建設地を設定するなど誰もが理解できることから始める必要がありますが、建設に置いて最初に行うことは該当建設地を管轄している消防との事前協議です。
消防と事前協議を行ってから危険物保管庫を建設する場所を管轄している自治体に対し設置許可の申請を行い、不備がなければ設置許可証を受領できるため工事の着工の流れになって来ます。
工事がある程度進むと行政や消防など審査機関による中間検査が行われることになるのですが、これは計画通り工事が行われているものなのか設計図どおりに工事が進められているのかなどで、工事が完了した段階で完成検査の申請を行い消防や審査機関による検査が行われます。
なお、検査結果で問題がなければ完成検査証の受領になるのですが、不備があるなどで審査に落ちてしまうと改善工事が必要になることもゼロではありません。
一度の検査で合格するためにも危険物保管庫は実績ある建設会社に相談することが大切です。

危険物保管庫の設置で必要になる資格とは?

危険物保管庫には、危険物取扱者という資格を持った人が必要になります。
意味合いとして危険物保管庫にはそれ自体の構造とか設備などについての基準が定められています。
要するにハード面での規制ですが、どのような施設や設備であっても最終的にそれを管理するのは人間ですので、適切な人が実施しないといくら立派なハードが整っていたとしても結局は事故につながりかねません。
そこで、危険物取扱者を設け、ソフト面からも規制しようとしているわけです。
世の中にはこのようにハードとソフトの両面から危害を防止したり、品質を確保したりしようとしている場面が多く存在します。
危険物取扱者は甲種・乙種・丙種の3種類あり、それぞれに実施できる範囲が定められています。
いずれも学科試験が課され、合格して初めて認定されることになりますが、試験は学科のみで実技とか実習などはありませんし、また受験資格に危険物取扱いに関する実務経験も必須とはされていません。

危険物保管庫の設置は大きさの基準もクリアしなければならない

危険物保管庫の設置には各種の基準があってそれらを満足することが必要ですが、その中には大きさに関するものも含まれています。
危険物保管庫の床面積は最大でも1000平方メートル以下と定められていますので、これは例えば縦が25メートル、横40メートルに相当します。
一般的な家屋のレベルから言えば十分すぎるくらいの広さですが、工場や倉庫の標準から考えれば決して非常に大きいとまでは言えないかもしれません。
ですが、あまりにも大きな建物ではそれだけ多量の危険物が同一箇所に保管されることになるわけで、万が一の際のリスクが許容できないくらいに高まってしまうことが容易に予想できますので、この基準が設けられているわけです。
ちなみに平屋である必要もあり、2階建てとか3階建てなどは認められていませんし、平屋でも極端にうずたかく積み上げることを防ぐ意味もあって、軒までの高さは6メートル以内という決まりも設けられています。

危険物保管庫の柱や壁、床といった構造上の基準は?素材は何を使用すべき?

危険物保管庫とは火災とか爆発の危険性がある物品を保管しておくための施設を指します、このような危険物保管庫は、安全性を確保するために構造上の基準が定められており、柱や壁あるいは床に対しても取り決めがあります。
具体的にそのような素材を使わなければならないとまでは決められていませんが、例えば木造であったならばどうでしょう。
火災や爆発の危険性があると言っているのですから、燃えやすい木造では万が一の際に被害を大きくするだけであり、適当とは言い難いというのは素人的にも分かります。
つまり、燃えないような素材で建築することが求められています。
具体的には鋼板とか鉄骨、コンクリートなどが挙げられます。
ちなみに、危険物保管庫は平屋建てとしなければならず、二階建てとかそれ以上の建物にすることは認められていませんし、広さについても最大でも1000平方メートルまでとすることが必要になっているなど、他にも様々な基準が設けられています。

照明や換気システム等は?危険物保管庫の建築には設備や機能の基準がある!

危険物保管庫は、文字通り危険物を保管する重要な役割を持つ施設ですから、内部は密閉状態になっていたり爆発のリスクに対する頑丈な作り、窓などはなくて内部は外からは見えないなどの印象を持つ人も多いといえます。
危険物保管庫で保管する薬品の中には、空気に触れると気化して毒ガスを発生するものもあるので換気は内部で作業するスタッフの健康を守るためにも欠かせませんし、暗がりで危険物の取り扱いを行うこともリスクがあるので照明がないと危険を伴うことになります。
危険物保管庫には、設置場所などの基準の他にも保管庫の構造および設備における基準が設けてあり、これらの基準を満たしていることが建設における基本条件になっています。
設備での基準には、引火点が70度未満の危険物を取扱う施設では蒸気排出機能を持つ装置が必要で危険物を安全に取扱えるための必要な明るさを確保するための採光機能や照明を設けるなどこれらの基準を満たしていることが重要です。

危険物保管庫の設置で規定されている危険物の指定数量とは何か?

危険物保管庫では、指定数量の10倍以上の危険物を保管する施設には避雷針設備の設置義務がある、引火点70未満の危険物を取扱う施設は蒸気排出設備を設置しなければならないなど、保管する量や種類などで必要な設備も変わります。
また、規模が小さな施設は危険物保管庫ではなく倉庫を使って危険物を保管することもできるといわれているのですが、危険物保管庫の説明の中で比較的頻繁に登場する専門用語の一つに指定数量があります。
これは消防法第9条の3で規定されているもので、危険物について危険性を勘案して政令で定める数量などの意味になり申請手続きを行う際には数量を記載することになるので、記載数量と保管物の量が一致もしくはそれ以内であることが求められます。
申請書に記載してある数量と実際に保管している量の食い違いは法律違反に相当するものですから、正確な数字を記載することが大切ですしその数値により導入しなければならない設備が変わることもしっかり把握しておきましょう。

危険物保管庫の建築にはどんな業者を選ぶべきか

危険物保管庫は建設会社であれば、どのような会社でも建てることができるイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。
しかし、危険物保管庫は様々な法令や規制があるのでこれを熟知している会社でなければ設計図を書いても審査に通ることができない、何度も書き直しが発生するなど手間と時間、そしてお金がより多く必要になってしまいます。
保管庫を設置する側も危険物について学んでいたり保管庫に必要な設備や導入しなければならない理由など大枠を把握することは大切ですが、建築許可を得るための申請書類の作成や手続き、検査を受けるときのポイントなど様々な知識を得ておく必要もあります。
危険物保管庫の建設を依頼する業者を選ぶときには、建設会社の中でも危険物の事を熟知していることはもちろん、建築の実績が豊富にある会社をいくつか選ぶことや申請手続きや検査時の立会いなども行っている業者の中から自社に最適なパートナーとなるところ、見積もりが安いところなどを中心に考えることをおすすめします。

著者:茶谷俊子

筆者プロフィール

奈良県生駒市生まれ。
危険物保管庫に興味を持ち、調べたことをこのサイトにまとめていきます。
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